今勤めている法律事務所からの転職・移籍を考えているんだけど、どう進めたら良いかわからない。
弁護士の転職には転職エージェントを使ったほうがいいの?
弁護士の転職エージェントってどんなことをしてくれるの? 転職サイトとの違いは?
などの疑問をお持ちではないでしょうか。
弁護士の転職や移籍は、通常、知人のつてなどを頼って行われることが多いため、転職エージェントを用いた転職の例は少ないかもしれません。
しかし、転職エージェントを使うことは弁護士にとって大きなメリットがあるのです。
なぜなら、①転職エージェントの保有する情報の質が高いから、②多忙の中で効率的に最適な転職先を見つけ出せるから、③プロの担当者が履歴書や面接対策をしてくれるから、④紹介者に気兼ねなく年収などの労働条件を提示できるからです。
私がお勧めするのは2つの転職エージェントです。
今回は、弁護士の転職・事務所移籍において、「転職エージェントを用いることの有用性」について、弁護士歴12年以上を有し、転職エージェントを実際に使ったことのある著者が4つの理由とともにお話ししたいと思います。
この記事を読んで、転職エージェントに登録すれば、皆様が希望する年収や労働環境に合致する法律事務所やインハウス企業に転職できる確率が格段に上がるでしょう。
弁護士の転職・移籍の方法
弁護士が事務所を移転したり、転職する場合、主に用いられる手段は次の5つです。
- 先輩、同期などの紹介
- ひまわり求人求職ナビ
- 事務所ホームページからダイレクトに応募
- 転職サイトの利用
- 転職エージェントの利用
※転職エージェントとは、「転職を検討している方」と「採用を考えている法律事務所・企業」の間に立って、転職成功を支援するサービスです。求人動向や転職ノウハウに長けているキャリアアドバイザー(担当者)が、転職活動をサポートします。
弁護士の年収アップ、キャリアアップには転職エージェントを使うべき4つの理由
理由1 情報の質が優れている
転職サイトは期待できない。
転職サイトは、利用者が自ら検索などして求人情報を探します。
不特定多数が求人情報を閲覧します。
よって、法律事務所や企業は、その事務所の内情、力を入れている専門分野、募集する弁護士像、想定年収などの重要な情報を公表しにくいのです。
なぜならば、ライバル事務所・企業がそれらの情報を得る可能性があるからです。
どうしても募集記載欄には一般的な事項のみを記載するにとどまってしまいます。
従って、求人を探す側も、本当に知りたい情報、有益な情報を見つけにくいのです。
転職エージェントが保有する非公開案件
転職エージェントには非公開の求人案件が多数存在します。
一般公開されないので、法律事務所側が思い切って「欲しい人材の情報、待遇面の提示、事務所のアピールポイント」など事務所の内情を転職エージェントに伝えられるからです。
さらに、転職エージェント担当者が、公開・非公開の求人すべての中から、転職希望者の経歴、希望にマッチした転職先候補を選び出してくれます。
しかも、 エージェント担当者は、公にはしにくい、業界の事情、法律事務所の内部事情の情報に精通しています。
- どんな組織体制で、どんな人がマネジメントをやっているのか
- どんな課題を抱えている事務所で、事務所としてこれからどういった方向性で進むのか
上記のようにWeb上だけでは絶対にわからないような内部事情が手に入るのも転職エージェントの特徴です。
よって、転職希望者は、より詳細な、質の高い情報を得ることができるのです。
理由2 効率よく優良な転職先を探せる
転職サイトやひまわり求人求職ナビの場合、 膨大な求人広告の中から、自ら条件、希望の合う転職先を 見つけ出さなければなりません。
これは非効率と言えます。
転職エージェントは、業界・職種(営業、人事、SEなど)の事情を熟知している担当者が、一人ひとりの経歴・ 希望に合う求人を紹介してくれます。
そのため、転職サイトよりも圧倒的に効率よく優良な転職先と出会うことが可能です。
理由3 履歴書等の添削や面接対策に協力してくれる
我々弁護士は、大学時代、一般企業への就職活動をしていない方が多数だと思います。
司法試験合格後も紹介等で、すんなり就職が決まってしまって、就職活動と言うものをガッツリ経験してこなかった弁護士も多いと思います。
弁護士を採用する側は、履歴書の記載や面接をとても重要しています。
本当に転職したい企業が見つかっても面接対応等が未熟であったため、採用に至らないという結果はとてももったいないです。
希望転職先が見つかったとしても、その事務所への転職のチャンスは1回きりです。
したがって、後悔しないように、十分な面接対策等をして、転職活動に臨むべきです。
その際、大きな力になってくれるのは転職エージェントです。
転職エージェントのフォローアップ
これまでたくさんの案件を経験してきた担当者が、履歴書の記載において注意すべき点、面接において注意すべき点などを本気で指摘・指導してくれます。
転職エージェントは、転職が成功しなければ、転職先から報酬が1円ももらえません。
したがって、転職希望者と利害が一致しています。
よって、転職エージェントの面接のアドバイス等は、本当に良い結果に結びつくもの、有効なものが多くなるのです。
※この成果報酬体系ゆえに、「どこでもいいから転職先に弁護士を無理矢理にでも押し込んでしまえ」という悪質な転職エージェントは選ばないように注意しなければなりません。
転職サイトは✖️ 転職エージェントは○
一方、転職サイトが求人広告主からお金をもらうのは、「求人広告を載せた時点」がほとんどです。
従って、転職サイトは、転職の成否・マッチングの成否についてあまり関心を持ちません。
よって、履歴書の審査とか面接対策についてアドバイスをもらうことは期待できません。
ひまわり求人求職ナビも▲
ひまわり求人求職ナビについても、 転職サイトと同様に、ウェブサイトへの求人広告を載せる場を提供しているだけなので、このような面接対策等はもちろんしてくれません。
履歴書等の添削や面接対策に協力してくれる「転職エージェント」をぜひ活用すべきです。
理由4 転職先や紹介者に気兼ねなく条件交渉できる
転職エージェントは担当者があなたと転職事務所・企業の間に入ってくれます。
したがって、あなたは先方に要望や希望を率直に伝えやすくなります。
年収、労働時間、弁護士会費の負担、皆無活動、残業の有無などについての交渉は、転職前のこの段階で行うのが最も効果的です。
なぜならば、法律事務所側も求人を求めているので、多くの譲歩を引き出せる可能性があるからです。
そもそも、年収アップ、労働時間の短縮、専門的領域への就業等を求めて転職するのに、その辺の条件を明確にしないまま転職してしまうと、転職する意味がなくなってしまいます。
そういう意味でも、この段階で、給与面や労働時間等様々な労働条件について希望を出す意見を出すしておくことがとても重要です。
この点、転職サイトやひまわり求人求職ナビであれば、第三者が間に入ってくれません。
よって、あなた自身が、求人を出している法律事務所・企業に対し、自分の希望・要望を直接伝えることになります。
しかし、 どうしても遠慮がちになってしまって、面接時などにダイレクトに希望を伝えることのできる人は少ないのではないでしょうか?
また、先輩弁護士や同期の弁護士の紹介によって、事務所に面接に行った場合でも、紹介者がいる手前、本当の自分の希望の年収額や労働条件を伝えにくかったりすることがあるでしょう。
しかし、転職エージェントを使えば、 紹介者がいませんので、気兼ねなく、自分の本当の希望を先方に伝えることが可能となります。
加えて、 転職エージェントを使っておれば、万が一、転職後、 転職先の事務所や企業が自分に合わないなと 判明した時でも紹介者に気兼ねなく退職することができます。
まとめ
以上の4つの理由によって、弁護士が事務所移籍や転職を成功させたい場合、圧倒的に「転職エージェント」を用いることをオススメします。
- 情報の質が優れている
- 効率よく優良な転職先を探せる
- 履歴書等の添削や面接対策に協力してくれる
- 転職先や紹介者に気兼ねなく条件交渉できる
ちなみに、私がお勧めする転職エージェントは次の2つです。
いずれも登録無料です。
この2つに登録しておけば、優良な転職先法律事務所・企業は網羅できるでしょう。
おすすめ1 弁護士ドットコムキャリア
弁護士ドットコムキャリアは、国内最大級のポータルサイトを運営する「弁護士ドットコム」が、そのネットワークを利用して、求人情報をたくさん保有しています。
加えて、担当者の質がとても高いのでおすすめできます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
おすすめ2 リーガルジョブボード
リーガルジョブボードは弁護士をはじめとした士業に特化した転職・求人エージェントです。
■サービスの強み
・求人情報を案内することに加え、登録会員に対して転職サポートのプロであるエージェントが担当として付きます。
・履歴書の添削や面接のシミュレーションなどのフォローを無料で行うため、書類選考や面接通過率が格段にアップします。
・ 担当者の対応スピードや丁寧・親切さも強みです。